映画なまもの

映画のこと、カメラのこと、そして、日々のことを書きます。

【宮沢りえ】湯を沸かすほどの熱い愛【迫真演技】

まさに湯を沸かすほど熱いの愛。タイトルコールがめっちゃカッコいい。

主人公の双葉(宮沢りえ)は、誰にでも優しく明るい一児の母である。そんな双葉がある日突然のガン宣告を受ける。自分の命がもう助からないと告げられたその日から自分がいなくなるその日まで、自分がやり残した事を一つずつ清算していく物語。

この脚本を書いた人はすごいです。
映画が始まるとスクリーンに映されるのは、どこにでもある普通の家庭です。本当にごくごく普通の日常なのですが、そこにはボンヤリと不穏な空気があり、何か違和感を覚えます。

そして、物語が進むにつれて、その違和感の理由は、登場する人々が抱える問題のせいであることが分かるのですが、その流れがとても美しいです。

誰かの問題→双葉の解決の簡単な図式が連続していくだけの映画!とも言ってしまえるのですが、伏線の張り方かなり上手く、物語がポンポンと、とても小気味好く続くため、スッと物語が入ってきますし、観ていて気持ちが良いです。

また、ひとつひとつの問題と解決の中に1人の人の決断と想いがズッシリと詰まっており、心を動かされます。そして、物語の終盤、今までの双葉が行ってきた事がひとつの形になる時、グッとくるものごあります。

人に優しくすることはなかなか難しいことで、特に無償の愛情を続けることは今の世の中なかなか出来ないことだと思います。この映画の中で起きた事は、とても狭い世界で起きた事であるが故に、自分も出来るんじゃないか、しなきゃいけないのではないかと感じずには入られませんでした。
これからは双葉さんを見習っていきたいと思います。

誰でも思い当たるところがある、いろんな人が胸を強く掴まれる、心を握られる映画だと思います。オススメです。

宮沢りえの後半の演技は度肝抜かれました。迫真過ぎて、悲しくなりました。
この人も本当にすごいですね…


オマケ

ただひとつ、ツッコさせていただきたい。
何故、女湯を見せないのか。監督に湯を沸かすほど愛はないのか?と思ったり、思わなかったり…f:id:mongorichop:20161112192525j:image